猿橋勝子という生き方

米沢富美子

2009  岩波書店

 

米沢富美子さんが、2019年に亡くなられ、

2021年に第五福竜丸の元乗組員大石又七さんが亡くなられた今、

改めてもう一度読む。

この本の始めの方で、第五福竜丸の被曝に関わることが、

コンパクトに書かれてある。

第五福竜丸が救援を求めず、自力で帰ったこと、

日本人の被曝をアメリカに任せず、自ら明らかにした事で、

あらためて印象を深くした。

関係者の知恵と努力で、アメリカの原水爆実験の実態が、

世界に向けて明らかにされたので、

今の私たちにこれほどの力量があるだろうか?

とつい思ってしまった。

基礎研究が粗末に扱われ、科学者の流出が続くニュースや、

教育に関わる諸々のニュースを思い浮かべると、

空恐ろしく思う。