2022年3月第二週

怒涛の一週間だった。

月曜日、娘が長男を出産。

火曜日、山ノ神が急性胃炎

土曜日、息子が再就職。

この間、仕事は忙しく、ほぼ通常より二名増しで仕事。

ゆっくり読書という落ち着いた気分になれず、

 

囲碁アプリで時間をやり過ごす事度々。

ただ今、二段のAIに四子でいい勝負。

 

胃痛と頭痛とに苦しむ山ノ神の気を紛らわせようと、

Netflixで話題の「金魚妻」を見、夫婦共々呆気に取られる(笑)

 

気分を変えて、同じくNetflixで「ロスト・ドーター」を見る。

主演女優は、どこかで見たな?と思って、

調べると、「ブロードチャーチ」で有名との事。

なお続けて見ると、エド・ハリスの変わり様に驚く。

「ウエスタン」ではまだ帽子を被るシーンが多かったが‥

更に続けてみているうちに、彼女見た事あるぞ!と気づき、

調べ直すと、「女王陛下のお気に入り」に出ていたと知る。

そうか、あのレイチェルとエマを向こうに回し一歩も引けをとらなかった女優さんだったのか。

 

今日の昼下がり、囲碁の時間で、大竹英雄さんを紹介。

この度の引退によるもの。

私は、竹林時代には遅れて来、

石田・加藤・武宮の木谷三羽烏からの囲碁ファンなのですが、

それでも、勝てずとも好感持っていました。

今日のインタビューで、「美学」と言われてどうも、とあり、

成る程と納得。

あらためて、大竹さんの打碁を並べたくなる。

図書館で検索したがあったはずの本が無い。

そうして、古本屋へ行くも空振りに終わった。

 

古本屋の棚を巡っていると、此処彼処でツイートしたくなる。

高校大学の頃一所懸命本を読んでた事が今になって、

自分の宝になっている事を知る。

なかなか勉強に身が入らず、かといって就職などの処世にも気が回らず、

もがいていたあの頃の自分が愛おしい。

人生に無駄なものはない、と何処かで誰かが言ってたっけ。

 

 

 

ツイートがバズって思う

「人間の限界」岩波新書が復刊される記事を読み、

懐かしく、思いを込めて書いたツイートが、

インプレッション数9000を超えた。

こんな数字は、初体験。

500で喜び、1000で驚き、

5000で怖くなる(笑)

 

こんなに読まれる程の事は書いてない。

というか、この文章、そんなに読まれるほどの文章か?

そこまで読むに耐えないのに‥。

 

この頃の私のツイートでは、思い出話が割合よく読まれる傾向にある。

思い出というものが持つ力を考えさせられる。

今少しづつ読んでいる、

「『失われた時を求めて』への招待」吉川一義著(岩波新書

は、そういう事を考えるのにもってこいだと思う。

感情を通した記憶を、今の知見で扱う手つきの面白さというか、大事さ。

 

プルーストのあの作品の読み方を教えてもらっているうちに、

人間の老いることの意味も教えてもらっているような気になる。

若い時に生きることを問うたが、

兎にも角にも生きてきて初めて、生きる事が露わになる。

若い頃無意識に選んだ本を読んで成長した、と思っていたが、

無意識に選ぶところで、私の人間性が発露していたのかぁ〜。

 

 

2022年3月最後のウィークエンド

一週間の仕事が終わり、風呂上がりに、

先日始めたばかりのFireTVStickを立ち上げ、

どんな映画作品が見られるのか、

いろいろ物色する。

WOWOW のオンデマンド、アマゾンプライム、ネットフリックス、

と渡り歩きながら、幾つか後で見たいものをチェックする。

そうこうしているうちに、

あの作品は、どこだっけ?状態になったので、止める。

入力をテレビに戻すと、NHKBSで、

最後の講義「物理学者 村山斉」を放送してた。

それまで探し出してきたどの映画よりもおもしろく、

最後まで見入ってしまう。

これこそ、NHKプラス放送すべきでしょう?

と、最初から見られなかった事が悔やまれる。

 

山ノ神が帰宅したので、リモコンを手渡し、

映像モードから読書モードに切り替える。

 

二階に上がり、図書館から借り出した本ばかりが入っている、

トートバックを引き寄せ、一番上にある本を開く。

「エリック・ホブズボーム」リチャード・J・エヴァンズ著。

予約してやっと手に入った本だが、どこでこの本を知ったのか?

がもう分からなくなっている(笑)

序を読んで驚く。

大変な人物だが、自分は全くと言っていい程知らない‥。

今度知る事が出来た、と前向きにとらえよう。

二冊目は、

ウイグル大虐殺からの生還 再教育収容所地獄の2年間」

グルバハール・ハイティワジ/ロゼン・モルガ著

ウイグル問題というものがある事は知っていても、

詳しい事は知らない。

以前NHKの「世界のドキュメンタリー」で関連するものを見た記憶がある。

ニュースの見出ししか知っていないと言われても何も言い返せない。

いろんな事を知る為に本を手にするのだが、

あまりにも知らなさ過ぎる、と感じると自己嫌悪に陥る。

でも、テレビをダラダラ見るよりはましだと思うことにする。

 

Amazonのプライム会員になったことで、PrimeReadingの恩恵も受けられ、

そのリストの中に、なんと、

セネカの「人生の短さについて 他2篇」(光文社刊)電子書籍

があって、喜んで直ぐにダウンロードした。

 

とつらつら書き連ねているうちにウイークエンドの夜は更けていく。

 

早春の日

今日、岡山では朝から雨。

この時期は、一雨ごとに春めいて、うれしいもの。

この辺りでは、西大寺の裸祭りが風物詩として有名。

裸祭りが終わると、一気に春になる、と言われている。

 

今日の雨は予報通りで、見たい映画は昨日観てきた。

初回が、8時35分なので7時半ごろに出発。

土曜日の朝、という事で、

「ウィークエンドサンシャイン」を聴きながら、ドライブ。

今朝は、なんとまるまるモンクの特集。

 

観たい映画の一つが、倉敷MOVIXの10番スクリーンに、

もう一つが、1番スクリーンなのが決め手。

どちらのスクリーンもこの辺りでは、好きの上位に入る。

 

10番スクリーンは、本当に久しぶりで、何年振りか、思い出せない。

昨今の人気作品と、私の見たい作品とが、合わなくなってきているのが原因…。

 

見たのは、「355」と「ウエストサイドストーリー」。

「355」は、手練れのアクション映画で、サクサクと展開するも、

手に汗を握るとか、ハラハラドキドキがなくて、よく出来ました、という感じ(笑)

「ウエストサイドストリー」は、言わずと知れた往年の名作のリメイク。

今の時代に見るには、いい仕上がりでしょう。

あらためて、脚本&音楽の素晴らしさを堪能した。

 

帰りに、隣町の図書館へ本を返却。

今回のコロナ対策で、

県下の各市町村立図書館の対応はそれぞれ異なって、

あちこちの図書館から借りている者には要注意。

返却したのは、予約が入ったものだけ。

こちらの図書館は、

「当館の予約のない貸出期限が過ぎた資料につきましては、

開館後に返却していただいて構いません」

との事なので喜んで他の本は手元に(笑)

 

図書館といえば、県立図書館が明日から一週間休館。

手元にある本だけで、もう十分だけれど、

休館と聞いただけで心がザワザワして、

又、借りてしまう…

その中の一冊が、「バルザック芸術/狂気小説選集」。

2010年に水声社から刊行の一巻に含まれる「知られざる傑作」が、

今のところ一番新しい翻訳だろうか?

 

今手元にある本の中で惹かれるのは、「グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル」。

67歳にして念願のアパラチアン・トレイル(世界最長トレッキング専用路)に向かう女性のお話。

ただいま69歳の私を元気づけてくれるかも(笑)

 

 

 

猿橋勝子という生き方

米沢富美子

2009  岩波書店

 

米沢富美子さんが、2019年に亡くなられ、

2021年に第五福竜丸の元乗組員大石又七さんが亡くなられた今、

改めてもう一度読む。

この本の始めの方で、第五福竜丸の被曝に関わることが、

コンパクトに書かれてある。

第五福竜丸が救援を求めず、自力で帰ったこと、

日本人の被曝をアメリカに任せず、自ら明らかにした事で、

あらためて印象を深くした。

関係者の知恵と努力で、アメリカの原水爆実験の実態が、

世界に向けて明らかにされたので、

今の私たちにこれほどの力量があるだろうか?

とつい思ってしまった。

基礎研究が粗末に扱われ、科学者の流出が続くニュースや、

教育に関わる諸々のニュースを思い浮かべると、

空恐ろしく思う。

 

マルクスとの再会

一昨年から再開したTwitterで出会った本の中で、

私にとって最も強い印象を与え、

今なお注目され版を重ねている本がある。

斎藤幸平著『人新世の「資本論」』。

 

私が大学に入った1970年代初めは、

まだソ連も健在で、

大学の経済学も近代経済学マルクス経済学との二本立てであった。

近代経済学のテキストとして一般に知られていたのが、「サムエルソン 経済学」。

マルクス経済学のテキストの究極が「資本論」。

 

資本論」は読み始めは難しいが、後になるほど読みやすく、

一所懸命頑張って第一巻だけは、ひと通り読み通せた。

マルクスが富士山のようなのに対して、

近代経済学は、アダムスミスからケインズシュンペーターを経て、

当時意気軒高たるものがあったフリードマンに至るまで 、

数多くの経済学者による連山みたいな観があった。

 

しかし、これらの古典的な経済学に没入することは無く、

様々な問題に振り回され、雑多な本を読んで学生生活を送ることになった。

 

清水幾太郎著「倫理学ノート」から、ハロッド著「社会科学とは何か」に至る読書。

そして、宇沢弘文著「自動車の社会的費用」のインパクトで、

経済学を学ぶことに疑いを持ってしまった。

碌に勉強もできないくせに、最先端の学術に乗っかって随分生意気だった。

いつの時代にもいる生半可な学生が卒業して、

ソ連が崩壊したのは知っていたものの、

マルクスの「資本論」の研究がその後どうなっていたのかは、

知らずに40余年後経って、斎藤さんの本でマルクスに再会した。

 

斎藤さんの研究の礎になっているMarx-Engels-Gesamtausgabe(マルクス・エンゲルス・ゲザムタウスガーベ)は、私の大学在学中に刊行が始まっていたが、

全く知らなかった…

 

マルクスの研究がその後も続けられ、

あの頃とは異なった社会状況の中で読み直されて、

あれからますます行き詰った社会に重要な提言が出されている。

 

これもTwitterで知ったアルチュセール他著「資本論を読む」を紐解くと、

フーコーの名前まで出てきて驚く。

フーコーが日本で紹介されだしたばかりの頃をリアルタイムで知っていて、

あの現代哲学がここにつながっているのか!と…。

 

今現在、カール・マルクスを読むという事はどういうことか?

佐々木隆治著「カール・マルクス」その特に終わり当たりを読むと、

いろいろ頷かされる。

 

若い頃の学びは捨てずに大事にした方がいい。

思いもよらぬところで、再開するのだから。

動画配信の時代に

先週我が家のWi-Fi機器を更新した。

deco wifi6 ax3000といい、

メッシュWiFiWiFi 6を組み合わせたもの。

今現在、家庭で用いられるものとしては最新式、と思う。

 

それまで使っていたのは、10年ほど前光ファイバー導入の際に付いていたもの。

黒い角ばった筐体の上に細長いカードみたいなものを差し込んであった。

だいぶ前から繋がりにくくなって何度も電源を入れ直して使っていた。

途中から、何本か角の生えたようなアンテナ付きの機器を息子がつなげ、

それからはもっぱらそちらを使う。

 

それでも、隣に棟続きの親の家の方までは、電波が届かず、

中継器を買って試みるも、使えなんだ。

去年光ファーバーでテレビを見るように工事した際、

光ファイバーにしてから10年は経っていたことを認識して、

Wi-Fiを新しくすることを決める。

 

これまで使っていたWi-Fiが武骨に見えるほど、可愛い機器が到来。

親の棟に子機を置き、繋がることを確認した後、

WOWOWのオンデマンドで、

小津安二郎の「早春」を母に見せた。

池部良ファンとして喜び、

いつも見てるテレビ番組の憂さを晴らしたよう。

 

WOWOWのオンデマンドでは日本語字幕が表示されず、

他を当ってみると、二社ほどしか対応していないらしい。

その一社、ネットフィリックスにつなげてみる。

話題の「新聞記者」で見られることを確認した。

 

見たいものが、又また増えてしまう…

三十云年前結婚と同時に始まったビデオ鑑賞から、

HDD録画鑑賞を経て、私もようやく時代に追い付いてきたか!

と自己陶酔する(笑)